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スージィという名のともだち


東京のスタイリスト学校時代に 一人、私を気に入ってくれた人が いたことを思い出しました。 卒業後、彼女はパリに旅立ちました。 しばらく 手紙で、

ハンサムイタリア人に「愛してる」と 繰り返しプロポーズされているのよ。

とか書いてくれていました。 その後は、違うフランス人と

結婚が決まりそう、と

言ったまま、不明。 今は どうしているのか。

私は古いものが好きでしたので、 イギリスの車掌さんの

キップ入れ Bag を安く買って、

首から提げて得意になっていると クラスの人のほとんどが、私を見て 「なにあれ?」って 笑っていました。 「そんな汚いものの どこがいいの?」 と、言われるけれど どこが汚いのか、さっぱり私には わかりませんでした。 たいてい 私の持ちものは キズがついていて 破れていたりしていました。 私は、その破れやキズが大好きで、

かわいくて、ある日も 違うBag を

自信たっぷりに持っていますと 「ばかじゃないの。もう捨てれば?」 と、言われました。 捨てる理由が さっぱりわからなくて、

悲しくなって、じっと

そのかばんを見つめていました。 あっちから見ても こっちから見ても 私には素敵なのに。 ちょっと悲しくなって スージィに相談しました。 そしたら、スージィは怒って 「どうして そんなこと言うのかしら。

さいてい !! センスが全くない人たちね。

のんちゃん(私のことです)の

そのBagはすっごく素敵。 のんちゃんの、その感覚は誰とも違う。 そういうところがいいの。 みんなのことなんて

気にしなくて全然いいの。 私は、そんなのんちゃんのことが だい好きよ」と、言って、私を

はげましてくれました。 クラス中の 誰一人とも あまり仲良くなれなかったのに スージィだけは そうして私を どこに行くにも 連れて行ってくれて かわいい かわいいと言って 仲よくしてくれました。 孤独な東京の、ひとり暮らしの私に スージィは、大きな勇気を くれた人だったと思います。

けれど、そういえば 私は人から こうして 持ち物を笑われたり へんてこなものを選んで なんで? と言われ続けてきました。 それがもう、なれっこになってるから mon*chouchou という ちょっと変わった場所を選ぶのも 少しも怖くなかったのでしょう。 私は、誰にも賛成して

もらえないことを思いついてしまう、

変なくせがあるのです。 そして、それがなんだか 怖くない理由の かげに 誰にも みとめられなかった私に 光をあててくれた、 友人の存在があるのかも。 自分が 素敵と思うことを信じよう。 信じていれば いつか わかってくれる人が現れる。 そう思って生きられた。 私に、自信と勇気をくれたスージィ。 今は パリの空の下に いるのだろうか。

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