デジュネの小窓から
昨日、ご年輩のご夫婦が コーヒーを
飲みにいらして下さいました。 ご親戚の家へゆく途中だと
おっしゃって。 ゆっくりと味わって コーヒーを飲みながら 「おいしいね」「うん おいしい」 と、言って笑いあいながら なにげない会話 やさしいひととき。 私の両親も、年をとり こんな風に、時々ここで 二人でコーヒーを飲むので、 その姿が何とも
微笑ましく見えました。 コーヒー好きの父の影響で 幼い頃、よく父と喫茶店へゆきました。 私はチェリーの のったアイスクリーム。 たいして何を話すでもないけれど ひとつのテーブルをはさんで 父と娘が向き合い にこにこ。 少しおしゃれをして、ごきげんの父に 「かっこいいね、おとうさん」 と言いながら過ごしたデートが とても すきでした。 café を仕事に選んだのは、こんな
父との想い出があったからなのかも。 今でも café に行くのがすきです。 仲よくお食事したり、 仲よくデザートを食べて 楽しそうにお茶を飲む人々の姿を 見ているだけで 楽しい。 café をお仕事にしたら こんな人たちを毎日毎日 見ることができる。 それがどこの誰であってもいい。 知っている人も 知らない人も 目の前にいる人が 仲よく笑いあう姿が好きです。 そして、人と人とを少しでも 仲よしにすることができるものが
もし、この世にあるとしたら、 きっと、それは 心のこもった「おいしいもの」 ではないでしょうか。 昨日、モンシュシュは おかげさまで 6周年を迎えることができました。 6周年の記念日に見た風景。 私の入れた温かいコーヒーをはさんで 笑いあうご夫婦の姿。 普通のようでかけがえのない時間。 日々、こうして 「おいしいもの」を作りながら こんな笑顔の風景を 見つづけてゆくことができたなら なんと しあわせなことでしょう。 ここに来ると仲よくなる。 ちょっと前の小さないさかいも まさつやいき違いも、すっかり忘れて 「おいしい」もので笑いあう。 そんなお店になることが 6周年を迎えたモンシュシュの いちばんの願いです。 みなさんの笑い声が いつもモンシュシュに 途切れることなく響きますように。 その声がそこにいる誰かを また、しあわせにしますように。