
大手町三丁目物語
父方の祖父母が、
広大生の下宿屋さんをしていました。
なので、子供の頃、私の家は
家族ではない10人ぐらいの人たちが
うろちょろとしておりました。
そして、家族ではない人の夕食を
たくさん作っている祖母の姿を
かっこいいって思っていました。
二人とも校長先生だった祖父母が
なぜ下宿屋さんを始めたのか、
生きているうちに聞いておけば
よかったのですが、
父も知らないようで残念です。
だから、家の食卓テーブルは
とっても長くて広くて
イスがたくさんありました。
小さな部屋も10部屋以上。
「ただいま帰りました」 「おかえりなさい」と、言っては、
家族ではないお兄さんがイスに座り
次々とおばあちゃんのごはんを
うまい、うまいと言って食べ
「ごちそうさま」と部屋へかえる。
そんな一般的には珍しい夕食の光景が
目に焼きついていたせいか、
私はいつの間にかそんなおばあちゃんが
あこがれになっていったのでしょう。
私はおばあちゃんの後をついて
ちょこまか ちょこまかの質問少女。
「これはなんにつ